ANNnewsCH 焼損範囲が急速に拡大した理由は?専門家が指摘する“消火の難しさ”山林火災3日目【報道ステーション】(2026年4月24日)
山林火災のメカニズムなどに詳しい、千葉大学の峠嘉哉准教授が24日、現地調査に入りました。去年起きた大船渡の山林火災の際などにも調査にあたった峠准教授は、消火活動の難しさを指摘しています。
■2カ所で火災“消防力が分散”
千葉大学 峠嘉哉准教授
「これは…これは衝撃的ですよ」
専門家が驚くほどの光景。
千葉大学 峠嘉哉准教授
「日本の林野火災現場を色々見てきましたけど、今回の事例もかくも大きくなってしまったんだなと」
広範囲に及ぶ被害。理由の1つとして挙げたのは、去年2月に起きた大船渡市での火災との共通点でした。
千葉大学 峠嘉哉准教授
「大船渡の事例は、初日における樹冠火(じゅかんか)の大規模さ。それによって大きなサイズに最初になってしまった」
樹冠火は、木の枝や葉っぱが燃えて、それが周囲の木に一気に広がる現象です。
千葉大学 峠嘉哉准教授
「大槌の事例でも同じように大きくなってしまった。(規模が)大きいがゆえに大きくなるところで共通」
共通点がある一方で、違いも浮き彫りになりました。
千葉大学 峠嘉哉准教授
「今回だと2件の火災が近いところで起こっている。広い領域がすでに焼けているにもかかわらず、消防士たちは2つの所に分散しないといけない。消防力の分散ということが起こってしまう。複数の火災が同時に起こるようなパターンだと、消防力の分散の問題はあって、それは大船渡との違いかもしれない」
延焼をくい止めるのと同時に、地表や地面の下にある火種の消火にも追われています。
千葉大学 峠嘉哉准教授
「この木の下の葉が、奥側は少し変色している。熱を受けて変色している。上側は緑が無事ということは、樹冠火ではない。地表火の影響が、葉っぱの方にも変色として生じ始めている。典型的な地表火の領域」
こうした場所で再び火災が起きてしまう恐れもあると指摘します。
千葉大学 峠嘉哉准教授
「土の中に火種が残ることはある。いわゆる“くすぶり火災”。上から水をかけても地中にあるので、そこまで水が浸透してくれない。掘って直接、水をかけないと消えない。これが残火処理の大変さです」
■なぜ?焼損範囲急速に拡大
大槌町で現地調査にあたっている、峠准教授と中継を結びます。
(Q.実際に現場に入ってみて、どんな印象を受けましたか)
千葉大学 峠嘉哉准教授
「焼損の範囲が非常に広がっていることに対して衝撃を受けているところです。報告されているところでも、現段階でも大規模事例になっていて、改めて林野火災の怖さを感じています」
(Q.2つの場所から火の手が上がったことで消防力が分散していることは、かなり深刻な問題ですか)
千葉大学 峠嘉哉准教授
「2件の林野火災が大槌町で起こっている中で、当然、2つとも放置する訳にはいきません。拡大を食い止めるため、消防力が分散してしまっている。特に1つはかなり大きな事例になっていますので、かなり深刻な状態だと思います」
(Q.火災発生から3日で焼損範囲が5倍以上になりました。この延焼の速度をどうみますか)
千葉大学 峠嘉哉准教授
「ここまで林野火災が大きくなると、燃えている火災の前線が非常に長い状態で、加速度的に大きくなるところがあると思います。また、24日は海から陸向きに強く風が吹いて、森林がある所に風が吹いてしまったこともあって、大きくなってしまったのではないかとみています。樹冠火も部分的に起こっている可能性もあると思います」
(Q.今後、雨が降ったとしても多くないという予想が出ていますが、火災が続く心配はありますか)
千葉大学 峠嘉哉准教授
「ここまで林野火災の面積が広くなってしまうと、たちまちのうちに人間の力で消すことは難しい規模だと思います。消防の方は最善を尽くされているところですが、やはり雨を待つところもあると思います。去年の大船渡事例の場合だと、3月5日に20ミリ強の雨が降り、それでだいぶ鎮静化しました。雨が降らずに食い止めた林野火災も過去にありますが、雨を待つ気持ちは確かだと思います」
(Q.今後、火災はどれぐらいまで広がる可能性がありますか)
千葉大学 峠嘉哉准教授
「そこの見込みは非常に難しいです。林野火災は森林が続く限り、どんどん大きくなってしまうところがありますし、ここまで火の前線が広く長い状態ですと、どんどん大きくなってしまうところがあります。どのくらい大きくなるか見通しが立たないからこそ、私自身、恐怖感をもってみています」
(Q.今後、避難指示のエリアが増えるかもしれませんが、避難する際、何に気を付けたらいいですか)
千葉大学 峠嘉哉准教授
「樹冠火が起こった場合には、飛び火が懸念されます。そういった時には、例えば窓を閉める。可燃物を片付ける、洗濯物を取り入れて、避難していただくことが必要です。他には“事前散水”と言って、庭などの可燃物に事前に水をまいておくことも、対策としてあると思います。いずれにしても、風向きが変わったり、風が強くなった時に、火の延焼の方向が途端に変わったりする。もしくは樹冠火が仮に起こってしまえば、緊急的な避難が必要になる可能性もあります。そういった時のために、いつでも逃げられる準備を今の段階からしていただくことが必要だと思います。場合によっては、緊急的な非難が必要になる可能性も十分にありますので、そのための備えをしていただきたいと思います」
(Q.くすぶっている火種が、樹冠火になって広がるという最悪の可能性も想定しなければならないですか)
千葉大学 峠嘉哉准教授
「今の状況としては、火だねだけではなく、地表火の領域が非常に広いです。いずれにしても、山の中には燃えているものがある状態です。そうした場合には、葉っぱの所まで燃え上がって樹冠火が起こってしまう可能性は十分にありますので、そうした想定を持って、山を注視していく必要があると思います」
[テレ朝NEWS] https://news.tv-asahi.co.jp
Watch the full video on YouTube
コメントを送信