#ANNnews 2日目…難航する消火活動 避難指示拡大 岩手・大槌町 山林火災の延焼拡大【報道ステーション】(2026年4月23日)
2日目…難航する消火活動 避難指示拡大 岩手・大槌町 山林火災の延焼拡大【報道ステーション】(2026年4月23日)
22日に岩手県大槌町で発生した山林火災は、延焼が続いています。新たに避難指示が出た地区も含め、現在1200世帯以上、約2600人が避難の対象となっています。
住宅に近いところでは、消防が夜通しで消火活動を行うそうです。
■ホース伸ばし…難航する消火活動
火が出た吉里吉里とは、山を挟んだ位置にある赤浜地区。
民宿の裏手にまで火の手が迫っていますが、消防車両は山の中に入れません。地元の消防団は、枯れ葉を踏みしめながら、奥へと進んでいきます。斜面を登った先では、ホースを長く伸ばして、消火活動を行っていました。放水の先には、赤い炎が確認できます。
消防団員
「『民宿裏の林道に火が下がってきた』と。下がってこないように“防火隊”。消すというよりは、それ以上、火を下げない」
炎が迫るなか、民宿の無事を確かめに来た人がいました。
確認しに来た人
「下の方で民宿を親がやっていて、そこで生まれて、震災後にこっちの方に移った。(Q.震災後に高台移転したら山火事)去年の大船渡の山火事もあったので、まさか自分がこういう思いをするとは」
■2つの地区で火 延焼止まらず
今回の山林火災、火が出たのは2つの地区からでした。
22日午後2時前、大槌町の小鎚で最初の火災が発生。
その直後に撮影された画像です。通報は「のり面から火が出ている」との内容でしたが、もう住宅にまで燃え移っています。人が住んでいた建物の被害は、この1棟だけで、小鎚ではほかに、物置や牛舎など、6棟に被害が出ました。
現場で初期消火にあたった消防団員。
大槌町消防団 芳賀潤副団長
「ものすごい音。杉がバリバリバリと焼けて、ワーッと煙と炎が立ち上がる」
そんななか、15時間以上、懸命に消火活動を続けました。
大槌町消防団 芳賀潤副団長
「やっぱり風と乾燥。注意報が出るような状況で、ましてや強風で、悪い環境が一緒になって延焼している」
小鎚での火災から約2時間半後、10キロほど離れた吉里吉里で火が出ました。山林火災は拡大しています。
消火活動は、日の出とともに始まりました。
煙が立ち込めるなか、自衛隊や消防のヘリが上空から放水を続けます。地上では、消火栓の水を使い切った地区があるとの情報もあり、海水を組み上げての対応です。
消火活動は難航しているようです。現場からはこんな声も。
現場指揮本部 菊池博文隊長
「点火が点在していて、各点在場所に消防隊をあてている。重点的に行っているのが、赤浜と安渡。一回、消火したが、また煙が見えるということで行った。(Q.刻々と状況が変わる)そうですね。転戦でやっている」
■難航する消火活動 大船渡の教訓は
岩手県では、去年2月、今世紀最大規模の山林火災が、大船渡市で起きたばかり。市の1割ほどにあたる約3370ヘクタールが焼けました。
このとき火は、41日に渡ってくすぶり続け、226棟もの建物に被害が出ました。浜辺特有の強風が被害を拡大させました。出火原因は特定できていません。
1年経っても、53世帯が仮設住宅など、仮の住まいでの生活を余儀なくされています。
山林の被害も深刻です。
水を吸い上げる機能を失った樹木も多く、将来的には土砂崩れにつながる恐れもあるということです。
今回の火災でやっかいなのは、22日、岩手県が県内全域にツキノワグマの出没に関する警報を発表したこと。大槌町でも、4月になって3件の目撃情報があり、火に追われたクマが、山から下りてくる恐れがあります。
そして、後発地震注意情報が出ているなかでの、この規模の山林火災は、誰も経験したことがありません。
■2600人に避難指示 住民の不安
23日、新たに避難指示が出された沢山地区。
住民
「早く収まってくれればいいですけど。みんな新しいんです、この辺の家。なかったから、この辺。(震災で)全滅だったから」
高田要さん(37)は、避難指示を受け、勤め先のある盛岡市から、急きょ、戻ってきました。
高田要さん
「まさか、沢山まで火事が来ると思わなかった」
午後6時を過ぎるころには、自宅から見える山にも火の手が。妻と子どもを連れて、実家に避難することを決めました。
高田侑香里さん(35)
「家自体が焦げ臭くて、具合が悪くなりそうなくらいにおいが強い。閉め切っていても、焦げ臭い。命の方が大事なので、避難優先で動きたい」
避難指示が出ていないエリアでも。
吉里吉里に住む女性の自宅は、10年ほど前に建てたそうです。女性は、10分ほど離れた父親の自宅への避難を決めました。
実家へ避難した人
「(Q.震災の後に)家が流されたので、建てたが、またなくなったら嫌ですよね」
東日本大震災で母親を亡くした女性。遺影に手を合わせます。
実家へ避難した人
「火事が収まりますようにと、お祈りするしかない」
56人が利用していた高齢者施設。建物に火の手が迫り、22日午後8時ごろ、別の高齢者施設に避難しました。ところが、風向きが変わって、その施設の利用者と一緒に115人がホテルへと2次避難することに。
堤福祉会防災担当 芳賀新さん
「ほとんどの利用者が歩けない。車いす車両も、数が限られている。ひとりずつ乗せて、何十往復したか。(Q.利用者からの不安の声は)『どこに行くの?』と話をされて、逃げている最中。受け入れてくれたのがホテルだったので『ホテルに泊まリに』と、笑いながら
不安にさせないように」
全員が避難を終えたのは、23日午前2時ごろでした。
避難した施設利用者(84)
「火事といえば、ドキドキしてくる。どうなるのって、最初はね。(Q.避難となったときは)避難してもらえれば、ありがたいと思ってね。お手数かけるけどね」
ホテルに2次避難した高齢者の8割は、寝たきりか車いすで生活を送っているそうです。
堤福祉会防災担当 芳賀新さん
「夜の移動の不安もあって、津波の心配もあるなかで、いざ、ここに避難して“地震があったら”と頭をよぎったが、いま、目の前にある火災から、どう利用者を守るか。職員も、一昼夜、不安で、施設にいるより移動した方が安心。最終的な判断をしました」
消防団の詰所では、普段、あまり使わないという背負い式の消火水のうが用意されていました。
大槌町消防団 東谷輝一さん
「きのうの夜に消火栓も貯水槽もほぼ使い切ってしまった状態。きょうは、一切、消火栓から水をあげられないので消火活動ができなかった。(Q.その代わりにどうやって水を)水道水。家庭用の水道水は使えるので、水を補充してやっていた」
これを背負って、山に向かったのですが。
大槌町消防団 東谷輝一さん
「火は上の方に燃え移っている状況。部隊は、ここで役目終了。背負式消火水のうで、対応できる炎の勢いではない。後は消防に任せたいと思う。すごい、もどかしさ。消防団員として、消火に当たれない、すごいもどかしさがあった」
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