#ANNnews 極寒の中で続く攻撃…市民の生活は 全面侵攻から4年 ウクライナの今【報道ステーション】(2026年2月24日)
極寒の中で続く攻撃…市民の生活は 全面侵攻から4年 ウクライナの今【報道ステーション】(2026年2月24日)
2月24日は、ロシアがウクライナへの全面侵攻を開始した日です。あれから4年。インフラ攻撃で電力が遮断され、極寒の中で生きる、ウクライナの人々を取材しました。
■戦時下の首都 遺影増え…
醍醐穣記者
「修道院の壁に貼られた兵士の写真には、その人の誕生日と亡くなった日付が書かれています。中には私やカメラマンの同世代、中には同じ誕生日の方もいました。その人がどんな人生を歩んできたのかというのを考えざるを得ません」
この日も兵士の葬儀が行われていました。
夜。首都とはいえ、目に入るのは暗闇と僅かな明かりだけです。
醍醐穣記者
「キーウ市内の住宅地です。今このエリアでは計画停電が行われていて、信号や街灯が全くついていない状況です。街の中には、営業を続けるお店の発電機の音が響いています」
そして鳴り響く空襲警報。全面侵攻から4年という節目が近付くにつれ、ロシアの攻撃は激しさを増していました。
■激しさ増す攻撃 発電所にも被害
醍醐穣記者
「規制線が見えてきました。あちらがミサイルが着弾した現場ということですが、建物の半分が完全に壊れてしまって、家の中がむき出しになっている状態です」
この夜の攻撃で1人が亡くなりました。
空爆被害者
「見てごらん。まさにジェノサイドです。被害の終わりが全く見えないです」
民間人を標的にしたロシアの攻撃は住宅地だけではありません。
醍醐穣記者
「特別な許可を得て、攻撃を受けた発電所の中を取材させてもらっています。パイプ類がむき出しになっていて、焼け焦げています」
真冬の今、一番の攻撃対象はこうしたエネルギー施設です。
醍醐穣記者
「破壊された機械の上には雪が積もっていて、寒さや雪が作業の大きな障害になっているということです」
元々は屋根があった火力発電所。この4年の間、幾度とない攻撃を受けてきました。直しては壊され、壊されては直し、そしてまた壊される。その繰り返しで、まともな稼働はできず、制御室の椅子は今や野良猫の席です。
発電所の技術者
「去年ようやく全てを修復したばかりでした。屋根も壁も全て元通りになりました。見てください。まだ半年も経っていないのに、また全てが破壊されてしまいました」
機械や設備には土のうで覆うといった対策が施されています。エネルギー施設周辺でも厳重な防空システムが展開しています。それでもミサイルやドローンはかいくぐり、人々の生活を締め上げていました。
■攻撃続く首都 市民の生活は…
ウクライナの暖房は、熱供給施設から出た熱湯が各家庭を循環するというシステムです。しかし、空爆などの影響で水道管が壊れていたり、発電所そのものが破壊されたりで機能はしていません。そんな状況下で人々は…。
醍醐穣記者
「暖房が止まってしまっている、このお宅では、ガスコンロに鉄の蓋をして部屋を暖めているということですが、なかなか部屋全体を暖めることはできないといいます」
寝る時はムートンのジャケットを羽織り、外にいるのと変わりません。
ベラショフさん(56)
(Q.寒さで睡眠の質は)
「非常に悪い。寒いから」
暖房がなければ室温が氷点下になることもある、冬のウクライナ。心が折れたりはしないのでしょうか。
ベラショフさん
「侵攻したのは我々ではありません。我々が侵攻されました。領土割譲の案は絶対受け入れられません。西側諸国が我々を見捨てないことを期待している」
母と子2人、犬1匹の家庭では、部屋の中で木炭をたいていました。
カテリーナさん(39)
「寒波の時には、これが役に立った。停電で暖房手段がなかったので。燃やせば2時間はもつ。部屋の中にテントを張って寝たこともあった。子どもはとても気に入っていた」
レイヤさん(8)
「テントの中のほうが暖かいので、テントで寝ていた」
シングル家庭なので、カテリーナさんが働き、子どもたちを育てるしかありません。停戦について今、思うことは。
カテリーナさん
「戦争はずっと続くでしょう。子どもを海外に避難させなかった罪悪感と、祖国に住みたい思いとで板挟みになっている。現状が負の連鎖で、私はその奴隷になっている。普通の生活を送っているようで、実際には送れていない」
■終戦願うも“譲れない領土”
ウクライナのキーウにいる醍醐穣記者に聞きます。
(Q.今回、様々な場所を取材していましたが、取材実感を伝えてください)
醍醐穣記者
「私がいるのはキーウの飲食店などが集まる学生街です。お店の前には発電機が置かれて、電力を保っている状態です。エネルギーインフラ攻撃によって生活に欠かせないライフラインが絶たれ、暖房の供給が止まるなど、この冬、市民は特につらい生活を強いられています。私は侵攻開始以来、毎年この時期にキーウを訪れていますが、先週は-10度を下回ることも多く、ここ20年で最も寒いと言われる冬を実感しています。ただ、24日はその寒さも若干やわらいでいます。街を行き来する人を一見すると、戦争が進行中であることを忘れる瞬間もあります。しかし、避難テントを取材した際、団地のエレベーターが止まり、30分以上かけて13階から杖をつきながら炊き出しに並ぶおばあさんの姿もありました。高齢者や子どもなど、弱い立場の人たちが長期化する戦争の影響を特に受けていると感じます」
(Q.市民生活も厳しくなっていく中、侵攻から4年で市民の心境の変化は感じますか)
醍醐穣記者
「平和を望む声は4年前から皆さん全く変わっていません。しかし、今行われている和平交渉で上がっているロシアやアメリカの条件。つまり領土の割譲は、性別や年代を問わず、取材した全員が『飲めない』と口をそろえます。ロシアのミサイル攻撃で自宅を失った男性は『話し合っているうちは戦争状態。戦いは終わっていない』と話しました。『停戦交渉に期待が持てますか』と聞くと『自宅や生活を奪われたうえで、領土まで奪われることは絶対に許せない』と語気を強めました。1~2年前より、停戦に関する条件が明確になった今、キーウ市民の戦争に対する意思は強くなっていると感じます」
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