#ANNnews 【報ステ解説】軍事組織『革命防衛隊』とは 混迷するイランの今後の道のりは【報道ステーション】(2026年3月4日)



【報ステ解説】軍事組織『革命防衛隊』とは 混迷するイランの今後の道のりは【報道ステーション】(2026年3月4日)
イランではIRGC(革命防衛隊)が中心となって反撃を続けています。ハメネイ師の後継者として名前が挙がったモジタバ師も、この組織と関係が深いとされています。いったいどういう組織なのでしょうか。

■軍事組織『革命防衛隊』とは

トランプ大統領はイランへの攻撃の後に、こう警告しました。

アメリカ トランプ大統領
「この卑劣な過激派連中は50年近くも『アメリカに死を』をスローガンに攻撃してきた。やつらの脅威ももはやこれまでだ。革命防衛隊・イラン軍・警察は武器を放棄しないと確実に死を迎える。きっと悲惨だぞ」

名指しされた革命防衛隊。陸海空で兵力約20万を数える最高指導者直轄の軍事組織です。正規のイラン軍をしのぐ力を持ち、弾道ミサイルの運用も一任されています。先日には、地下トンネルに貯蔵した大量の自爆ドローンの映像を公開。その力を背景に、中東各国のアメリカ軍基地や石油施設などへも攻撃を行い、ホルムズ海峡を封鎖に追い込んでいるのも革命防衛隊です。

革命防衛隊は元々、1979年のイラン革命を率いたホメイニ師が創設し、いわば“親衛隊”として機能していました。あとを継いだハメネイ師は、革命防衛隊を権力の基盤として体制の隅々にまで浸透させていきました。数千人が亡くなったとされる反政府デモの際にも弾圧に加わっていたと言われています。

武力だけではありません。

阿部健士記者
「目の前に非常に大きな湖が見えます。あの湖は人工的に作られたものですが、その湖を中心にホテルやショッピングモール、マンションなどの施設の建設が相次いでいます。それらの多くが革命防衛隊によるプロジェクトだということです」

傘下には100以上の企業を持ち、土木はもとより、石油開発・IT・医療・金融にまで、ありとあらゆる経済活動を担ってきました。第1次トランプ政権では、革命防衛隊をテロ組織に指定して制裁を課し、精鋭『コッズ部隊』のソレイマニ司令官ら幹部を殺害するなど弱体化を狙い続けてきました。

ハメネイ師の後継者として有力視される息子のモジタバ師も深いつながりがあります。若い頃から革命防衛隊に所属し、イラン・イラク戦争にも参加。現体制を支える高官らと、この時期から関係を築いてきたとされています。

アメリカは3日、新たな指導者を選ぶ会議を攻撃するなど、候補者を次々に標的としていますが…。

CNN国際情勢アナリスト キンバリー・ドジャー氏
「イランの体制は人材の層が厚く、最高指導者クラスともなれば確立された継承制度が存在します。一番上の層を排除しても必ず後継者が出てきます」

◆イラン情勢に詳しい慶應義塾大学・田中浩一郎教授、アメリカの安全保障政策に詳しい明海大学・小谷哲男教授に聞きます。

(Q.革命防衛隊が、これからもイランを統率していく可能性が高いのでしょうか)

慶應義塾大学・田中浩一郎教授
「もちろん、これは、軍事組織として、きちんと機能していればということでもありますし、基本は、軍隊というか親衛隊みたいなものから発生し、さらにイラン・イラク戦争中に、国土を守るために多大な血を流した組織でもあります。その点においては、強固なつながりがありますし、イランの国内の経済的な分野でも、さまざまな利権を持っています。だから、ネットワーク、それから組織力などを見ても、そこらの政治組織よりも、はるかに全国津々浦々にその影響力が及ぶんです。だから、これは機能している間であれば、例えば、この先、軍事クーデターのような形での役割を担う、あるいは、自らそのように打って出ることが想定されるんですけど、ここまで徹底的に破壊されていくと、果たして頼みの綱である、いわゆる武力です。暴力を使って治めるという、このスタイル自体がもう使えなくなる。そうなると、彼ら自身には、多分、国民の側から見たら、憎しみの対象として、いま、目がどんどん変わっていきますから、あまり将来がないのかなというふうに思いますね」

■ハメネイ師の次男・モジタバ師とは

(Q.革命防衛隊とも関係が深いとされる、ハメネイ師の次男・モジタバ師が後継者として挙がっていますが、現実的ですか)

慶應義塾大学・田中浩一郎教授
「この人については、私はあまり肯定的な評価をしていません。なぜかと言うと、表で演説をするとか、公職に就いたことがないんです。イランの最高指導者や政治家も含めて、人々の前で話をする、自分の考えていることを伝えることは極めて大事な政治のスタイルですが、それがない。声も普通の人に届いていない。その人がいきなりトップですと言われても、ピンとこないです。あと、今の体制自体が世襲制であった王政を批判して倒してできたもの。ここで世襲のようなことをしてしまったら、自らの存在を否定することにもなりかねないという問題もあります」

■アメリカーイラン交渉は

(Q.革命防衛隊はアメリカと交渉する相手になる可能性はありますか)

明海大学・小谷哲男教授
「今回の軍事作戦は、トランプ大統領が“この作戦を起こせばイランの民衆が蜂起する”という期待を持ってやったわけですが、4~5日経ってもそうなっていません。政権内では、新たな宗教指導者がトップに立った場合と、革命防衛隊がカウンターパートになるシナリオを考え始めているようです。特に、革命防衛隊に関しては、経済的な利益をちらつかせれば、うまく交渉ができるのではないかという甘い見方も政権内で一部出ているようです。新しい情報ですが、第三国の情報機関を通じて、イランからアメリカの方に停戦の申し出が出ているようです。中身としては、弾道ミサイルやプロクシー(第二勢力)への支援をやめると。その代わり、イランの体制を維持させてほしいと提案しているようです。トランプ政権はまだ半信半疑ではありますが、これが新しい指導者が誕生した時に同じような提案が出てくるのか見極めているようです」

(Q.いまの段階で、イラン側から停戦の働き掛けはあり得ることですか)

慶應義塾大学・田中浩一郎教授
「ここまで破壊が進んで、軍としての攻撃能力・反撃能力も損なわれるということになると、あるのは本土決戦を誘うか、日本で言うとポツダム宣言的な非常に不利な条件で白旗をあげるしかなくなる。それに至る手前のところで条件を出して、アメリカが望むような、ある程度満足できるような、要となるポイントを突けば、トランプ大統領がディールに乗ってもおかしくないとは思います」

■クルド人武装組織に武器供与か

CNNによりますと、CIA=米中央情報局が、イラン国内で民衆蜂起を扇動する目的でクルド人武装組織への武器供与を進めていると報じました。クルド人とは、「国を持たない世界最大の民族」。主にトルコ、イラン、イラク、シリアなどの山岳地帯に住む人口は2500万~3500万人と推計。各国で差別・迫害を受け、住む国によっては自治政府や武装勢力を持ちます。イラン国民のうち、1割がクルド人で、イランにもクルド人反体制武装組織が存在しています。

(Q.クルド人武装組織を動かすことによって、さらに混乱を招くことにならないでしょうか)

慶應義塾大学・田中浩一郎教授
「まず、イランはイラン国内にいるさまざまな少数民族、その中でも、特に、クルド人とバルチ人のように分離独立主義を掲げているグループに対しては、非常に神経をとがらせてきている部分。なので、クルド人反体制武装組織というのは、イラン国内では、当然、追い詰められますので、イラクやほかのところに逃げて、そちらの方に拠点を持っているんです。これらが、これらの組織が、アメリカとイスラエルによる攻撃が始まるよりもちょっと前に、実は、お互いにいがみ合ってきたけれども、突然、合同会議を開いて、共同の武装部隊をつくるというようなことで合意したという知らせも届いていたので、何かあったんだろうなということが、ちょっと見えてはいたんです。恐らく、背後では、イスラエルが、もともとクルド人組織とは近い関係にありますので、その調停などを場合によっては、お膳立てしたということが考えられます」

(Q.いまのイランの反政府の受け皿にはなり得ないのでしょうか)

慶應義塾大学・田中浩一郎教授
「少数民族ですし、この武装組織は、こういった運動は、まず分離独立を主張していますので、クルディスタンという自分たちの国をつくるんだということなんですが、これはやはり禁じ手なんですよ。イランだけではなくて、イラクとシリア、さらにはトルコにわっと広がっていまして、どの国もクルド人の分離独立主義には、手を焼いてきたという歴史があります」

■トランプ政権の“出口戦略”は

(Q.この報道が正しければ、さらにプレーヤーが増えていくわけですが、トランプ政権にとって出口戦略はあるのでしょうか)

明海大学・小谷哲男教授
「先ほども触れましたが、トランプ大統領としては、この軍事作戦を起こせば、イラン国内から革命が起こるということを期待していて、それが出口戦略だったわけです。しかし、これがなかなかうまくいきそうにないということもわかってきたので、このクルド人部隊を投入して、イラン国内を混乱させるというような案も出てきているわけですけれども、トランプ大統領という人は、本当に戦略を立てない人なんです。常に目の前で動いているものを見て、何か動かせそうだと、自分に有利になりそうだというものを、直感で判断して、物事を決めていくというタイプです。よく言えば、柔軟に物事を考えるんですが、悪く言えば、行き当たりばったり。まさに先ほど触れましたイランからの停戦の申し出、これも、いま、一つの駒になっているので、これも動きそうだとなれば、いまの体制とも手を結んで、まさにイランの国民の自由というものは、無視するということも十分あり得ると思います」

(Q.アメリカにとっては泥沼にもなりますが、地上戦にイランを引きずり込む展開を目論んでいる可能性はありますか)

慶應義塾大学・田中浩一郎教授
「その可能性もあります。イランが和睦・停戦を求めているけども、アメリカもイスラエルも乗ってこない。恐らく、イスラエルは乗ってこないと私は思います。いずれにしても、それが成立しないのであれば、あとは体制転換のために最後は地上部隊を出さなければいけないはずだとイランは踏んでいます。それであれば、地の利はイランにあるので、もう少し対応ができるんじゃないかと考えているんだと思います」
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