#ANNnews 【ニュース】「自分のことと感じる」 沖縄戦、AI使い白黒写真をカラー化 戦争が奪った「色」#shorts

【ニュース】「自分のことと感じる」 沖縄戦、AI使い白黒写真をカラー化 戦争が奪った「色」#shorts
8月15日は終戦の日です。80年前の沖縄戦の前後に撮影された白黒写真をカラーにした写真が今、注目されています。写真に色がついたことで当時の人々の表情、生活がより鮮明になりました。

■最新技術で白黒写真をカラー化

 今年発売された書籍「カラー化写真で見る沖縄」。沖縄の戦前・戦中・戦後、それぞれの時代の白黒写真をカラーにしたものが収められています。

沖縄の写真をカラー化
ホリーニョさん
「写真をカラー化することは、戦前から生きていた方々の普通の日常みたいなところも切り取れるんじゃないかなと」

 カラー化したのは兵庫県出身の会社員・ホリーニョさん。子どものころに経験した震災で見た変わり果てた町並みが脳裏から離れず、過去の沖縄戦の記録と重なったといいます。

「沖縄の歴史をどうやって伝えるかの試行錯誤のなかで、白黒写真をAIでカラー化するのが一番色んな人に見てもらえる」

 SNSに投稿したところ多くの反響を呼び、これまで300枚以上手がけました。

「AIで着色して途中段階のやつをこっち(iPad)に移し、着色の補正を加えて完成させていくという形」

 AIを使って大部分をカラー化、その後タブレット上で手作業で調整や彩色をしていきます。

「写真1枚を隔てた向こう側で、(まだその人が)生きているような感覚で色を付けていく」

 沖縄に住む人たちは、カラー化された写真を見てどう感じるのでしょうか?

70代男性
「(カラーは白黒より)理解しやすいんじゃないかと思う」

10代高校生
「すごいリアル。(カラーだと自分と)近い存在に感じて、もっと(戦争について)考えることができるのかなと…」

10代高校生
「本当にあったんだなと実感できる。人の肌の色とか自分と同じ色だから分かりやすい。(授業にも)取り入れたほうがいい」

50代女性
「白黒だとやっぱり、あぁなんか大変だったなと思うけど、色がついてくるとその時にあったことを自分のこととしても分かりやすいのかな」

 あの時代、あの場所にいた人たちと自分たちがつながっている。カラーになったことで気づく「過去」という言葉では片づけられない出来事。

■カラーで伝える沖縄 戦争奪った「色」

 沖縄戦の前に撮影された那覇市にある東町の大通りを見ると、黒くつぶれてよく見えない箇所がありますが、立ち並ぶお店、中央には町を象徴するかのような建物。行き交う人々など、そこには日常の生活が映し出されていました。

ホリーニョさん
「(戦前は)すごく近代化された街並みとしてあって、別に(今と)変わらない豊かさがあったんだなと…」

 浮かび上がった今と変わらない人々の営み。しかし戦争が起こると、人々が暮らしていた町は一変。活気があふれていた市場も灰燼(かいじん)と化します。

 カラーにしても無機質な色しかない戦渦の沖縄。戦争が奪ったのは“色”そのものでした。

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