#ANNnews 【報ステ解説】崩れるバランス…イスラエル“一強”に?戦火拡大する中東の行方は【報道ステーション】(2026年3月2日)



【報ステ解説】崩れるバランス…イスラエル“一強”に?戦火拡大する中東の行方は【報道ステーション】(2026年3月2日)
■ハメネイ師“後継者”選出へ

イランで繰り返されてきた体制転換。

アメリカによる体制転換の試みは、70年以上前にさかのぼります。

1953年、アメリカのCIAなどがクーデターを主導し、パーレビ国王による親米政権が誕生。ファッションや音楽など、西洋文化が押し寄せ、近代化が一気に進みました。しかし、その親米政権も25年ほどで終わりを迎えます。

1979年のイラン革命。パーレビ国王による独裁体制への不満や、反政府デモの弾圧が起きたことをきっかけに、反体制運動の勢力が拡大しました。そして、国外追放されていたホメイニ師が帰国。熱狂的な支持者たちに迎えられ、実権を掌握します。

ホメイニ師は、宗教指導者でありながら最高指導者。政治や軍事まですべての決定権を持ち、その権力は、大統領をしのぐ絶対的なものです。

国民の間で高まりを見せたのは、反米感情です。革命に参加していた学生たちが、テヘランのアメリカ大使館を取り囲み、90人以上の職員たちを人質にとる事件も発生しました。アメリカとイランは国交を断絶し、両国の関係悪化は決定的となります。

1989年、ホメイニ師の死後、最高指導者に就いたのがハメネイ師です。約37年、反米路線を押し進め、欧米から「独裁者」などと批判されてきました。

アメリカ ブッシュ大統領(2002年)
「大量破壊兵器を追求し、テロを輸出している。こうした国家と彼らのテロ同盟国は“悪の枢軸”を構成している」

特に、アメリカにとって長年の懸案となっていた核問題。
トランプ政権は、2015年の核合意から一方的に離脱し、イランに対し「最大限の圧力」をかける政策で制裁を課しました。

今回の大規模軍事作戦でハメネイ師が死亡。トランプ大統領は、国民に体制転換を呼び掛けています。

今後の焦点は、ハメネイ師の後継者選びです。
イランは、次の最高指導者が選ばれるまで権限を代行する『指導者評議会』を設置。ペゼシュキアン大統領や、護憲評議会の法学者ら3人で構成され、数日中に最高指導者が選ばれるとしています。

■イラン反撃の“規模と狙い”

イラン情勢に詳しい慶應義塾大学の田中浩一郎教授とアメリカの外交・安全保障政策が専門の明海大学、小谷哲男教授に話を聞きます。

(Q.イランは最高指導者ハメネイ師の弔い合戦と位置付けていますが、その反撃の能力がどのくらいあって、どのような戦略・目的で攻撃をするのか、そのあたりはどうでしょうか)

田中浩一郎教授
「一つは、今までのように抑制した形の反撃ではない、報復ではないということで、場合によってはエスカレートしていくこともいとわなないということで臨んでいます。もちろん、これは弔い合戦という意味も大きいということです。そして、対抗する手段、報復する手段というのは、基本的にはドローン、巡行ミサイル、そして、恐らく最も威力があるのが、弾道ミサイルですが、いずれも去年6月の抗戦の際にだいぶ使っていますし、破壊もされているので、事実上、どれくらいの弾が残っているのかよく分かっていません。私は最大限でも、今のような戦い方をして、10日から2週間が限界なのではないかとみています。それを超えての抗戦は相当難しいと思います」

■イスラエルと米国の“思惑”

(Q.トランプ大統領は『この作戦は4週間程度は続くであろう』と言っていますが、信憑性を含めて、どうでしょうか)

小谷哲男教授
「恐らく予防線を張っていると思います。今回の作戦は4日とか1週間とみられていましたけど、イランの報復が想定以上に大規模だったことで、もう少しかかるだろうと。ただ、トランプ大統領はマーケットを見ていますので、これが数カ月かかるようでは、マーケットは大荒れしますので『これは4週間程度で終えるんだ』と、マーケットを安心させようとしているんだと思います。実態を見ても、2隻目の空母『ジェラルド・フォード』は作戦展開が8カ月以上も続いていて、船にも艦載機にも被害が出ている。トイレが650カ所あるんですが、半分が使えないという形です。それは衛生環境にも影響があるし、兵士の士気にも影響が出ていると思いますから、長期の作戦を行うのは難しいこともあるんだと思います」

(Q.イスラエルは、この機に、一気にイランを弱体化、あるいは無力化に近付けようという狙いがあって、激しく攻撃を強めていく可能性があるのでは)

小谷哲男教授
「極めて可能性は高いと思います。これだけのチャンスは滅多にないと考えているでしょうし、アメリカが仮に引くとなっても、斬首作戦を続けて、イランの体制を極限まで弱体化させておきたいということで、続けていく可能性はあると思います」

(Q.アメリカはどこまで付き合いますか)

小谷哲男教授
「アメリカの場合は、先ほど申し上げた通り、トランプ大統領はマーケットを見ていますので、それ次第で、一方的に勝利を宣言して、引くということはあり得ると思います。ただ、そもそもこの攻撃をやるかやらないかでも、トランプ大統領とネタニヤフ首相の間では考え方の違いがあったということなので、どこかの段階で考えの違いが出てくるのはあり得ると思います」

■ハメネイ師の“後継者”は

イランは、次の最高指導者が選出されるまで国政運営を担う『臨時評議会』が1日に設置されたと発表しました。メンバーはペゼシュキアン大統領、モホセニエジェイ司法府代表、そして、イスラム法学者から選ばれたアラフィ師の3人で構成されています。

(Q.後任への権力の継承はどのように行われるとみていますか)

田中浩一郎教授
「本来であれば専門家会議が招集されて、その場で新しい最高指導者を推挙して選任することになります。ただ、大人数が集まって会議を行ったら、また爆殺される危険が高いのでできません。そうなると、つなぎのための対応が必要ということで、臨時評議会を招集したということ」

(Q.それ以外の道筋は考えられますか)

田中浩一郎教授
「戦闘が続いている中で、イランがどんどん追い込まれることは否定できません。さらに、大統領であれ臨時評議会であれ、狙い撃ちされる危険もあるので、国・政府としてのていをなさなくなることも考えられます。その一方で、何とか健在である軍の組織が一致団結して、体制全体をのっとってしまうこともゼロではないと思います。構造上、最高指導者が軍よりも上にありますが、軍も上に対して不満を持っています。特に司法などの場で腐敗がひどいので、腐敗に辟易していることから、寝首をかくような格好で軍事クーデターに進む可能性もなきにしもあらずです」

■崩れる“パワーバランス”

(Q.いずれにしてもイランの弱体化は避けられず、中東でイスラエル一強になっていく可能性はありますか)

田中浩一郎教授
「すでに去年6月の段階で、それは明らかになっていたとみています。イスラエルのカウンターバランスがほとんどいなくなってきた。イランが弱体化したと思ったら、イスラエルの政治指導者たちは今度は『トルコが脅威だ』と一生懸命言っています。トルコはNATO加盟国ですけども。トルコのエルドアン大統領と、イスラエルのネタニヤフ首相の関係がかなり悪いことも含めてですが、トルコに照準を合わせつつある気がします」

(Q.敵を作りながら、それを倒していくことをモチベーションとして、ネタニヤフ政権は運営されている印象は避けられませんか)

田中浩一郎教授
「ネタニヤフ政権だけじゃないと思います。歴代のイスラエル政権が大体そういう性質を持っています」

(Q.今回の攻撃で中東のパワーバランスが大きく変わる可能性があります。どうみていますか)

小谷哲男教授
「アメリカは楽観的に見ているところがあって、トランプ政権1期目の終わりに結んだアブラハム合意を拡大していくことで、中東に平和と安定をもたらすことができると。そのための最後の障害物がイランであるということで、今回まさに体制転換を狙って軍事作戦を行った訳です。これがうまくいけばアブラハム合意の拡大につながるんでしょうけども、今後のイランの体制がどうなるか分かりません。かえって中東を混乱させて、アブラハム合意の完成が遠のくこともあり得ると思います」

(Q.トランプ大統領はイラン市民に体制転換を呼び掛けていますが、うまくいくのでしょうか)

田中浩一郎教授
「非常に微妙です。今の体制が嫌だと思っている人は多分、人口の過半数以上いますので。そういう人たちはチャンスだと思える。一方で、トランプ大統領、イスラエル、簡単に言えば外国の尻馬に乗って体制をひっくり返したところで、その先の将来はどうなるんだろう。アフガニスタンはどうなった。イラクはどうなった。シリアはどうなりつつある。リビアもどうなってる。いずれも、ろくなことになっていないという思いもあるので、どうすべきか迷うと思います」
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