#ANNnews 悪名高い“エビン刑務所”とは…NHK支局長イランで拘束か 緊迫続く国内情勢の影響か【報道ステーション】(2026年2月25日)



悪名高い“エビン刑務所”とは…NHK支局長イランで拘束か 緊迫続く国内情勢の影響か【報道ステーション】(2026年2月25日)
大規模な反政府デモが続くなど、情勢が不安定なイランで、日本人1人が拘束されました。海外メディアによりますと、身柄を拘束されたのはNHKのテヘラン支局長だといいます。

Radio Free Europe/Radio Liberty
「イランが日本のNHKの支局長を逮捕し、テヘランにある悪名高いエビン刑務所に移送したと、2人の情報筋が明らかにした。支局長は、エビン刑務所第7区に収容されているとみられる」

Radio Free Europeは、アメリカ議会が出資する旧共産圏や中東に強いメディアです。

尾崎正直官房副長官
「日本政府は、イラン・テヘランで邦人1名が、現地時間1月20日に現地当局に拘束されたことを確認しています。プライバシー保護の観点から、これ以上の事案の詳細等についてはお答えできないことをご理解いただきたいと思います」

NHKは、明確な回答はしていません。

NHK
「NHKとしては、常に職員の安全を第一に行動しています。現段階でお答えできることはありません」

1月20日に拘束されたという支局長。どういう状況下で、何の容疑でといった情報は、一切、わかっていません。

1月のイラン情勢は、大きく揺れ動いていました。
犠牲者が数千人とも、数万人とも出たともいわれるイラン全土で、大規模な反体制デモが起きていました。1月20日は、多少、落ち着き始めていた時期になります。

外務省は、本人と連絡が取れているそうです。日本政府関係者は「取材中に拘束されたわけではない」ともしています。

しかし、収監されているのは、エビン刑務所第7区。

国際人権NGOアムネスティ・インターナショナル
「エビン刑務所第7区は、一般的には、金融犯罪関連の収容者がいる場所だが、近年は、政治犯も収監されている」

外国人のジャーナリストでは、2014年に、スパイ行為などの罪で、ワシントンポストの元テヘラン支局長が収監されていました。

ワシントンポスト・元テヘラン支局長 レザイアン氏(2019年)
「私はアメリカの政府のスパイに仕立て上げられた。『裁判で便宜上、有罪を認めないと解放できない』と言われた」

人質交換で釈放されるまで、544日間に及ぶ収監でした。

ワシントンポスト・元テヘラン支局長 レザイアン氏(2019年)
「『残りの人生を刑務所で過ごすことになる』とか、『まもなく釈放』とも言われましたが実現しませんでした。イランは、人質を交渉材料に使うことで知られています」

エビン刑務所は拷問部屋があったり、悪名高い施設です。

身に覚えのないスパイ罪で、5年間収監されていたアヌーシェさん。

アヌーシェ氏
「4m×8mほどのそれほど大きくはない各部屋に、二段ベッドで平均15人ほどが生活していました。水洗ではない、くみ取り式トイレが5つありました。非常に劣悪な環境でした。トコジラミ・ゴキブリ・ネズミがいました。私や仲間の囚人は、精神的に苦しみ、釈放後もトラウマを抱えています。(Q.日本人が逮捕され、刑務所に連行されたことをどう思いますか)非常に心配です。イランは追い詰められ、躍起になっている。どんな罪であれ、逮捕されれば、状況から逃れるのは困難です。まだこれが始まりかもしれず、彼は長い間、精神的な拷問を受けるかも知れません。彼が、なるべく早く釈放されることを願っています」

交渉材料として民間人を不当に逮捕してきた過去も指摘されているイラン。ただ、日本の場合、外交における“人質”が成立するのかは疑問です。

戦後、原油の貿易を通して、イランと日本は、強いつながりを持ってきました。それは、イラン革命後も変わることはなく、いまもカテゴリーは親日国です。開戦前夜のような関係になっているアメリカのような敵性国家ではありません。

外務省によりますと、支局長は「命の危険がすぐに迫っている状況ではない」としています。

尾崎正直官房副長官
「政府としては、本件拘束事案が判明して以降、イラン側に対して当該邦人の早期解放を強く求めてきております。また、邦人本人やご家族等の関係者と連絡を取りつつ、必要な支援を行っております」

◆イランで邦人が拘束される事態。国内情勢が緊迫していることが影響しているのでしょうか。イラン情勢に詳しい日本エネルギー経済研究所の坂梨祥さんに聞きました。

坂梨さんは、拘束された時期に注目しています。
「去年末からの大規模な反政府デモで、情勢不安が続いていた。インターネットも遮断し、当局が国外への情報漏洩に神経をとがらせていた時期と重なる」と指摘します。

そのうえで、主な可能性は2つあるといいます。
「一つは、デモに関する何らかのトラブルに巻き込まれた可能性。もう一つは、当局にとって、看過できない行動をとっていたと思われた可能性。“イラン当局にとって望ましくない情報”を外に出そうとしているように見えてしまった可能性も考えられる」といいます。

イラン側に思惑があるとすれば、どのようなことが考えられるのでしょうか。

坂梨さんは「過去にヨーロッパ国籍の人が拘束されたときは、イランがヨーロッパの当該の国と“外交的な話し合いの場”を設ける目的があり、“話し合いたい懸案事項”が解決すれば、解放される。ただ、今回は拘束理由がはっきりしていない。現時点で拘束期間を想像するのは難しい」とみています。一方で、このような見方もしています。「日本はイランとの関係が悪いアメリカの同盟国でありながら、イランともアメリカとも関係が良好な独自の立ち位置にいる。今回の拘束の目的はわからないが、日本に何か“伝えたいこと”があるか、日本から何か“得たい”という発想が背後にある可能性も考えられる」としています。 (C) CABLE NEWS NETWORK 2025
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