#ANNnews 4人の子育てに介護も…すし店女将、司法試験に合格 45歳から勉強 決意のワケ【羽鳥慎一モーニングショー】(2026年2月24日)
4人の子育てに介護も…すし店女将、司法試験に合格 45歳から勉強 決意のワケ【羽鳥慎一モーニングショー】(2026年2月24日)
すし店のおかみとして働きながら50歳で司法試験に合格した女性がいます。弁護士を志したきっかけ、合格への道のりや苦労について取材しました。
■末っ子の勉強もサポート
伊勢湾と三河湾に囲まれた愛知県知多半島にある美浜町。この地で92年前に創業したのが、老舗すし店「ゆたか寿し」です。
地元で獲れた上質のネタを大将自らが買い付け、ランチタイムにはほぼ満席になるほどの人気店ぶり。一番人気はマグロやアナゴなどを使った「並寿し」。
常連客
「全部新鮮でとてもおいしい。特に焼きアナゴは本当においしいです」
「大将の人柄もおかみさんの人柄も素晴らしくいいお店」
ゆたか寿し 大将 畠信敬さん(57)
「地元のお客様が多いですから、昔ながらの味を変えないような仕込みとか味付け、それは心がけていますね」
「ゆたか寿し」でおかみとして店を切り盛りする畠伸子さん(50)。すしを握る以外は何でもこなす、縁の下の力持ちです。
「一番下がまだ小6で、長男が4代目の修業中です。4人産んだんです」
福祉系の大学を卒業後、結婚。その後、4人の子どもを育てながら店に立ち続けてきました。
伸子さんは末っ子の大希さんの勉強もサポート。この時中学受験を控え、店の営業中にも…。
「大ちゃん、どこまでやった?きょうやることを確認した?ある?問題。ちょっともう一回見ようか」
すし店のおかみ、4人の子の母がなぜ、最難関ともいわれる司法試験を目指したのでしょうか?
■一日7時間の独学
きっかけは6年前。新型コロナウイルスの影響で客足が遠のき、店は多額の負債を抱えて経営難に陥りました。
「2人(夫婦)で一馬力ずつ別々の仕事をしないと、すし屋ののれんが守れないんじゃないかと」
おかみとして経営についても詳しくなりたいと、国家資格の「ファイナンシャル・プランニング技能士」を取得していた伸子さん。その後、行政書士の資格も取り、おかみ業のかたわら年金や相続などの相談を受ける仕事をしていました。新たな収入源を模索する中、知人から勧められたのが…。
「そのエネルギーと、その勉強熱心さを同じ時間使うんやったら、弁護士になることに向けたらいいんじゃないかと言ってもらったのがきっかけ」
国家資格の中でも最難関といわれる司法試験を受験し、弁護士を目指すことを45歳の時に決断。当時、司法試験の受験資格は「予備試験」に合格するか「法科大学院」を修了するかの二択。伸子さんは子育てと義理の父の介護もしていたため、独学で予備試験の合格を目指しました。
司法試験は、憲法、民法、刑法など計8科目が課せられ、一般的に3000~8000時間の勉強が必要とされる困難な道のり。
「これ宴会場なんですけど、コロナの時から全然使われなかった。こんな広いところで広々と使っていました」
「勉強していた教材のほんの一部、何十分の一ですけど。短い問題を解いた後とかは、こんな感じ」
通信教材を使ったり、個別指導を受けたりしながら一日7時間ほど勉強。その後、店も再び活気を取り戻しますが、当時次男はまだ小学1年生で、目が離せない時期でした。
■隙間時間を有効活用
すし店のおかみ業、子育て、さらに義理の父の介護と、勉強時間の確保が難しくなる中、時間を捻出していた方法が、隙間時間を活用することです。
「例えば鶏のてり焼きが(夕飯の)おかずだとすると、それを漬け込んでいる間に洗濯物をたたんで収めて、ここでおじいちゃんのところにご飯届けてとか、この辺の幅でこれをやるとかは頭の中にずっとあって」
当時は朝5時に起床し、すぐに勉強開始。日中は隙間時間を使って勉強し、夜は子どもたちの世話や家事を終えてから、再び勉強。複数のことを同時にこなせるようになった秘訣は?
「私ワンオペ育児だったんで。5歳、3歳、0歳とかを1人でお風呂入れてたんですよ。すごい工夫しなきゃいけないんですよ」
夫・信敬さんは仕入れのために朝5時前には家を出て、夜まで店ですしを握るため、子どもたちが幼かった頃は伸子さんのワンオペ状態に。また、おかみ業では…。
「例えばレジでお支払いしたい方、今入ってきて席案内してほしい方、お茶のおかわり欲しい方、注文で呼びたい方、同時だとするじゃないですか。優先順位とかすごい考えるんですよ」
子育てとすし店の経験を通して、隙間時間を使った勉強が自然と身に着いたといいます。
「スーパーのレジ待ちの時とか、そういう時はすぐにすかさずイヤホン着けて覚えるものを流していましたね。これ揚げる時にこの辺に覚えるものを貼って、覚えながら揚げていたり」
■49歳で試験「怖くない」
隙間時間を活用して勉強を続けるも、司法試験の受験資格となる「予備試験」合格は果たせず。そこで改めて法科大学院へ48歳で入学し、司法試験に挑戦することにしました。
おかみの伸子さんが大学院に通う間、店を支えてくれたのが従業員と家族です。
従業員
「夢に向かっていくって、いいこと、素晴らしいなって。情熱がすごいなって」
信敬さん
「おかみがおるおらんは、やっぱりお店としては一番ダメージは大きいですけれども、それでも他の従業員さんが力を合わせて協力し合ってやってくれてますんで」
さらに子どもたちも…。
次女 明日花さん(22)
「お母さんが大学院に行ってからは、まかないとかを代わりに作っていました」
次男 大希さん(12)
「家の中では僕が見てる限りでは結構ずっと勉強している感じで、僕の部屋とかで(たまに勉強を)やったりしますね」
去年7月、49歳で司法試験に臨んだ伸子さん。
「『落ちてたまるかー!」という勢いで受けに行ってるんで。『何も怖くない』って思ったんですよ」
そして11月、合否発表ボードには…。
「見に行った時はもう確認に行くぞっていう。だから番号を見つけてホッとしました」
■「少年事件をやりたい」
司法試験の勉強を始めておよそ5年。1人3役をこなしながら、50歳にして合格を勝ち取りました。
信敬さん
「すぐ電話かかってきたんですけども、『受かったよ』と言われまして。ちょっとホッとしたというか、安心したというか。『おめでとう』とは伝えました」
さらに、伸子さんが自宅に帰るとサプライズが。
「子どもたちはケーキ作って待ってくれてたんで。『ママおつかれ』っていうケーキだったんですけど」
合格の報告を受けた子どもたちが、ケーキを作ってくれていました。
明日花さん
「今まですごい努力してきたのを見てきたので、今までお疲れ様という意味を込めて」
実際に伸子さんが弁護士として活動を始めるのは、来年の春以降。今、新たな目標があるといいます。
「少年事件をやりたいな。いい大人に出会うことって若い人にとってすごく大事じゃないですか。その後の人生に大きな影響って与えられると思うんですけど、だから自分はそういう大人になりたいな。そもそも接客業が好きで、すし屋という仕事も好きなので、お店には立ち続けると思います」
(2026年2月24日放送分より)
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